緒方功治
実行委員会 委員長

21世紀以降、世界規模で急進展したICTイノベーションは私たちの社会・生活環境を一変させました。モビリティ、リモートコラボレーションを前提としたワークスタイルやクラウドベースの情報通信インフラ、AI、SNS、シェアリング関連サービスの進展等は、個人、企業のみならず、国や地方政府の成長戦略にも大きな影響と変化をもたらしています。
特に、これら情報化社会のパラダイム転換は、組織よりも個人、既存の都市部よりもむしろ地域社会の活性化においてより多くの恩恵をもたらすものと指摘されています。情報資産・発信力面での都市部の競争優位性が低下し、個人や地域社会が直接世界とコミュニケーションできる時代、私たちは改めて人材や社会の新しい可能性について真剣な模索と試行錯誤が必要です。
この世界的大転換期にあって、2016年、アジア地域の地方議員が直接交流を深める新しい枠組み「アジア地方議員フォーラム」が発足しました。日本も発起国として積極的に参画してきたことは、地域主導型のグローバル化の流れに沿う価値ある取り組みと信じます。日本への期待値は大きく、今後はアジア地域の持続可能かつ共生的成長を見据えた貢献、具体的には地域産業経済の活性化、次世代人材育成面での問題提起や質の高いプログラム開発等が重要な役割となる方向です。
私たちは昨年、これらの国際動向や問題意識に賛同する多くの皆様のご支援やご協力をいただき、第一回「次世代人材育成フォーラム」を実現いたしました。日本人学生と外国人留学生が現実の社会課題と向き合い、協働を通じてグローバルコミュニケーションスキルやリーダーシップを磨く体験・機会は、チームメンバーの絆を育みつつ、一人一人の視野を広げ、視座を高めるとても有意義なプログラムとなりました。
また、日本では現在、30万人規模のアジア地域を中心とする外国人留学生が学んでいます。将来、各国・地域のリーダーとなる優秀な人材が多数日本で生活していることは、それ自体が日本社会の素晴らしい国際環境資産であり、日本人学生にとっての最高の学びのパートナーと言えます。しかしながら両学生間の交流は全く不十分との声が非常に多く、この状況改善には、社会の様々なセクターが連携・協力し、国際交流促進を総がかりで後押しすることが不可欠と実感しています。この点でも本プログラムが良きモデル事業となれるよう最善を尽くして行く覚悟です。
第2回となる今大会は第1期生の積極的協力のもと、より一層充実した運営体制で望みます。一人でも多くの志ある日本人学生・外国人留学生の皆様にご参加いただき、本プログラムを通じて頼もしい次世代グローバルリーダーの誕生のお役に立てることを心から願っています。